コンセプト > A.住宅を考える
A-1 住宅が住まい手に及ぼす社会的影響
住宅は休む、自然環境から身を守る等、巣的要素が大前提ですが、ヒトとして住まう時、様々な心理的影響を及ぼします。例えば、大きい窓が南側にあると、明るい光につつまれて、とても気持ちがよくなります。が、一方で北側の部屋でも設計次第で落ち着いた空間になり、思慮にふけることのできる書斎になったりします。悪い例としては、子供部屋を親の目の届かない離れに作って、子供の犯罪行動に気づかなかった事件もありました。ですから、家族と向き合って、生き方や自分探しをする行為が住宅作りなのです。とても奥の深い作業です。
A-2 住宅が住まい手のリスクを救う
住宅は一生で一度か二度の高い買い物です。何十年というローンを支払う間に起こり得るリスクに対し、住宅そのものが救ってくれることもあります。
例えば、二世帯住宅をつくり、暮らさない間は家賃収入を得てローンの足しにしたり、敷地の一部を駐車場として貸したり、店舗併用住宅にして副収入と仕事を得たりできます。
専用住宅を作ることが全てではありません。
立地条件と施工費を照らし合わせて、いろいろな住宅造りを考えましょう。
A-3 住宅が社会に与える影響
住宅造りにおいて、内部は住まい手の自由となりますが、外観は不特定多数の人々に見られ、公共的な要素を持ちます。自分の建物だから自由気ままに建てていいという考えは控えたいものです。
地域に溶け込むということの他に、街を歩く人々に気持ちの良い印象を与えたいものです。
A-4 住宅と自然との共生
現在CO2増加による地球温暖化が心配されています。ヒトの巣である住宅は、CO2減少の手助けをする義務があるのではないでしょうか。設備的にCO2を減少する事の他に自然(森林、光、風等)を取り入れることで、CO2削減に協力したいものです。また、植物は癒しの効果がありますので、設計の段階で住宅と共生できる造園造りも考えましょう。